09/10/2022
入社して、まず最初に依頼されるお仕事って「議事録」作成だったりしませんか。
「どう書いて良いか分からない。」「とにかく必死にメモを取ってみた。」「自己流で良いのか不安」
この記事では、そんな方のために、議事録の書き方を説明しています。
議事録は決定事項と経緯を記述するものです。目的は主に2つです。一つ目は決定事項の共有や周知。2つ目は決定事項の証跡です。建コン業の場合は、議事録自体が納品物になったり、仕様変更つまり契約に関わる証跡になったりします。
そんな議事録ですが、実は、書き方って大きく2形式あるんです。
パターン1:文章形式
パターン2:質疑応答形式
以降は、シチュエーション別に書き方を説明していきます。
パターン1
パターン1は、決定事項の共有や周知のため、誰がいつまでに何をするか等の決定事項を記録したものです。いわゆる5w1hに関する事項を文章形式や箇条書きで記載します。社内や部署内の会議に使われます。
それでは以下の会話例から議事録を作成してみたいと思います。
(会話例)
課長「業務効率化に取り組んで欲しいのですが、アイデアはないですか?」
西田さん「現地調査票が物件によってバラバラで、毎回マクロ変更してるのですが、合わせられませんか。」
東山さん「調査項目は同じなので、可能ですね。作成するので、調査票の保存先教えて下さい。」
西田さん「了解しました。1ヶ月後に現地調査結果の報告があるのですが、それまでに出来ますか。」
東山さん「1週間あれば可能です。」
課長「では、期日は●月●日で、次回の課会議でレビューお願いします。」
(議事録)
件名:業務効率化の取り組み
日時:▲月▲日
参加:課長、西田、東山、南川、北海
協議結果:
・当部署の業務効率化取組みは、調査票のフォーマット統一とする。
・業務フォーマット統一作業は、東山さんが担当し、●月●日までに終了し、次回会議にてレビューする。
・西田さんは、現在利用中の現地調査票の保存先を東山さんに連絡する。
パターン2
パターン2は、決定事項に加え、決定経緯の周知共有のため、「○○の期日は○で良いか」「良い」と言ったように、発言者とその内容を質疑応答形式で記載したものです。客先との打ち合わせや、外部会議の記録に使われます。
それでは以下の会話例から議事録を作成してみたいと思います。
(例)
発注者さん「1ヶ月後に依頼していた現地調査報告なんだけど、1週間早めることできるかな。」
西田さん「では時間短縮のため、報告に使用する現地調査票は、弊社所定の様式としたいのですが、よろしいでしょうか。」
発注者さん「仕様書の項目を満たすのであれば問題ないよ。」
西田さん「今回のみの独自調査項目は、備考欄に記述まとめようと思います。でも、項目名を強調するなど分かりやすく記載しようと思います。」
発注者さん「一度、事前に様式を見せてもらいたいんだけど・・・。」
西田さん「了解しました。サンプルでき次第送付いたします。確認の結果使用許可いただけない場合は、報告日の前倒しが難しくなるが良いでしょうか。また返事も早くいただきたいのですが・・・」
発注者さん「返事については了解した。届いたらすぐ連絡する。報告日は再度検討してみるよ。」
(議事録)
件名:現地調査結果の報告日変更
日時:▲月▲日
参加:発注者 〇〇主任、受注者 西田
協議方法:電話
協議結果:(甲)発注者 (乙)受注者
・■月■日に予定していた現地調査報告を1周間早めてほしいが可能か。(甲)
→乙の所定様式を使用するのであれば可能である。(乙)
・所定様式は仕様を満たすのか。(甲)
→今回のみの調査項目の記載欄が無いため、備考欄に記述することになる。(乙)
・事前に乙の所定様式を確認した上で判断したいが良いか(甲)
→了解した。サンプルでき次第送付し確認いただく(乙)
宿題事項:
・乙は甲に調査票を送付し、甲より使用の可否をもらう
・甲は乙に報告日について改めて連絡を行う
パターン1と2の違いは、発言者も明らかにするという点です。発言者の責任が伴うものと言っても良いでしょう。さらに、公的文章として外部公表される可能性があるならば、使用する用語は一般的なもの、記述は‘ですます‘か‘である‘調に統一する、会話形式ではあるが表現は固めにして、そのまま書かない、といった文章表現も大事になります。また、本当に言いたいことが分かるように要約することも必要です。
まとめ
議事録は、決定事項や決定経緯の周知共有という目的がありますが、仕事の内容を覚えたり、用語に慣れていく、そして客先との約束を忘れないようにするクセ付けなどの効果があります。また、会議前に誰が記事録を担当するか決めるのが前提ではありますが、そうならない場合もあります。会議中や後に。「やっといて」と言われても慌てないように、かつ早く仕事に慣れるように、入社したての頃は積極的に議事録を作成して、仕事を覚えていきましょう。
今回の記事が皆様のお役に立てれば幸いです。